武蔵中の学校説明会から見える公立の限界と私学の未来ビジョン
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2009/05/30 |
◇本日30日、武蔵中学校の説明会がありました。2つの講堂で行われるほどの人気。ビジュアルもPPTもなく、ひたすら2時間、講演会のような説明会。配布された学校案内や資料をきっちり活用してプレゼンする姿は、山崎校長自身が語る武蔵の特徴であるアカデミズムスタイルそのものでした。
◇校長、国語科、数学科、社会科、理科科、体育科、英語科、芸術科目=教頭の話が切れ目なく進むのですが、最後に教頭が、「いろいろ教員が話しましたが、要は言いたいことは1つなんです。どの教科も素材や道具は違いますが、生徒が自分の表現したいことを見つけ、それを表現することを手伝うのが武蔵の特徴なのです」と。
◇たしかに、どの教科も自分で調べて自分で考えるという「自調自考」という武蔵の理念が貫徹している話ばかりだったのです。そしてそのために、世間に流布しているわかりやすい教材は使わない、わかりやすさは鵜呑みにしない、多角的な視点を見つける、多様な人とのコミュニケーションを大事にするという共通の思考様式を語っていました。
◇しかも、授業スタイルは、ゼミ形式のものが多いし、とにかく調べて、実験して、議論して、レポートにしていくという学びの体験が豊富であるということが強く伝わってきました。かなり質の高い教育。山崎校長の語るリベラルアーツがベースであることは明快に理解できました。
◇ところで、今の武蔵の学園長は有馬朗人さん。実は「ゆとり教育」導入時の中教審の座長です。文科省側からは、寺脇研さん。有馬さんは武蔵出身。寺脇さんはラサール出身。寺脇さんはHonda「発見・体験学習」のビデオをみて、ゆとり教育の理想のスタイルだと漏らしたんですが、いずれにしても、そのゆとりのイメージは私立中高一貫校の実践事例とイコールだったんですね。
◇有馬さんの「ゆとり」のイメージはおそらく武蔵中学の教育の姿です。
◇そう学校説明会に参加して感じました。そして同時に、これでは、公立学校で、「ゆとり教育」がうまくいくわけはないなぁと確信めいたものも感じました。とにかくレベルが高すぎます。市民むけの科学コミュニケーションではなく、専門知的レベルとでもいいましょうか・・・。
◇それにしても、武蔵のアカデミズムはアイロニーがたっぷりです。アカデミズムですから批判的思考習慣は当然でしょうが、どこを対象に批判しているのでしょうか。社会でしょうか?受験市場でしょうか?日暮里のある学校と表現していましたから、開成でしょうか?
◇ここに武蔵の限界があると思います。この限界を乗り越える努力を、実は多くの私立学校が試みているのも現状です。その限界については、私のブログでそのうち述べてみたいと思っています。
◇いずれにしても、武蔵の教育は公立学校の教育の限界、私立学校の教育の限界を確認し、乗り越えるために重要な役割を果たすと思います。次回の学校説明会は、未来を創ろうとしている教育関係者にとっては必見ではないでしょうか。
| この記事のコラムニスト:本間 勇人| この記事のURL| コメント(0) |
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