NY市 保護者が子供の学びの状況にアクセスできるウェブサイト開発
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2009/06/01 |
◇The New York Times(090528)によると、ニューヨークのマイケル・ブルームバーク市長は、ARIS(Achievement Reporting and Innovetion System)によって、保護者が生徒の成績の強み弱み、出席状況など学びの状況のデータベースにアクセスできるようにしたようです。
◇教育委員会の長であるクライン氏は、このシステムによって、保護者は、生徒を支援する教師ともっと共感できるようになるし、子どもを教師と一緒に支援できるようになると語っています。つまり学習支援の「パワフルなツール」なのだと。
◇日本でも行われている全国学力テストのような試験も、NY市ではある程度保護者がデータベースを開いて判断できるようになるわけです。個人情報のセキュリティもしっかりしているようです。
◇もちろん、日本と同じように、テストへのストレスが高くなるだとか、自治体が学校をコントロールするだけではなく、さらに個々の生徒もコントロールできるようになるのではないかという疑問も投げかけられているようです。
◇しかし、この疑問の出所は、日本とはやや違いがあるようです。日本の場合は県と市町村の教育委員会や校長を巻き込む権力闘争の大義名分として、教育の自由や自治が持ちだされている気配がするのですが、アメリカのこの手の議論は、市民社会の自由の問題として議論がされているのです。
◇また、市長や教育大臣、校長の権限の強化についてはレーガン大統領以来の教育改革の中で、常に議論されてきていることです。このARISの有効性と市民社会の持続可能性の葛藤は、特別なことではなく、あらゆる改革において同じように検討されることなのですね。
◇市民にとって良かれと思われることも、それを運営実行する手続きが、独善的だとすぐに待った議論しようよというのがアメリカ文化です。だから、ポール・クルーグマンのように、オバマ大統領のファシズム的やり方にシフトしやすい匂いも察知し、評価しつつも批判するのですね。
◇つまり、あらゆる政策は妥当かどうかだけではだめなんですね。日本の場合、しかたがないよ現実は厳しいから妥当だよで議論は終わることが多いでしょう。でも、市民社会にとって独断専行では信頼性や正当性を保障できないのです。そこをチェックする機能が働いているうちは、アメリカもまだまだ健全なのではないのでしょうか。
◇いずれにしても、早晩ARISは、NY市に浸透し、全米に広がるでしょう。授業とテストと評価と自宅学習、形成的評価などなどの問題がE-learningによって統合され、子どもたちの学びの支援が市民の手に行きわたる時代がすぐそこに来ています。日本の文科省はどのように対応していくのでしょうか。
【ARISシステムの概要】→ARIS Parent Link
【関連記事】 近未来の教育イノベーション(CSERlearning) どこが包括的に組織化するか①
| この記事のコラムニスト:本間 勇人| この記事のURL| コメント(0) |
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