ムラカミ、そしてソーセキ 海外に売れる明治の文豪
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2009/07/24 |
鮨、禅、ムラカミときて、今度はソーセキ?
日本文化への関心が高まるなか、明治の文豪に熱い視線が注がれている。
日本の近代文学の父、夏目漱石。日本人だけでなく欧米の読者もまた、この作家に魅了されてきた。スペイン人も例外ではなく、漱石の感情豊かで精神性溢れる作品に心動かされている。
・・・・・・あの村上春樹も、尊敬する作家の一人に漱石をあげている。両者の共通点は容易に見出すことができる。西洋に接近しつつも自らのアイデンティティを失わない点や心理分析を行う方法、あるいは自然の表情と登場人物の心が共鳴し合うさまを繊細かつ巧みに描く手法などは、その一例だ。
漱石の作品には、心の平安を探求する姿が描かれている。それゆえ、進むべき方向を見失った現代人の心にも響くのだろう。過剰な個人主義や物質主義に代わる、より精神的なものが求められる現代にこそ、強く訴えかけるのかもしれない。(COURRiER Japon 090723)
◇欧米は近代の道を拓き、今もその道は続く。
◇しかし、その道は、輝かしい光の都市を形成してきただけはない。
◇光の都市には影の空間がある。
◇近代の矛盾というやつだろうが、それは今なおなくなることはない。
◇漱石のおもしろいのは、そんな世界の大問題を、日常の家族の人間どうしのこころのゆらぎに
◇見事に落とし込んだことだ。
◇村上春樹さんは、エルサレムのスピーチで、壁にぶつかりくだけちる卵になると宣言したが、
◇その壁こそ、近代の矛盾に相違ない。
◇欧米の近代の影は、かつては植民地活動や帝国主義で、アジア諸国、南米諸国、アフリカを覆ったが、
◇戦後、皮肉にもその影は自らの内を覆った。
◇ムラカミやソーセキの矛盾への警鐘と則天去私の境地に達する心性に共鳴するのもわからないではない。
◇日本の文化の中で、思想もまた売れ始めるというのは、思想なき日本にとって、
◇芸術なき日本にとって、海外から日本の芸術文化のすばらしさを逆輸入した時と同様、
◇再び海外から日本の思想の有効性を逆輸入する時がきたということなのか。。。
| この記事のコラムニスト:本間 勇人| この記事のURL| コメント(0) |
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