聖学院大学vs文科省 本当の対話とは何か?
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2010/08/11 |
8月14日(土)、聖学院は、3月入学前準備教育、5月カフェ・ウィークに引き続き、高校向けのサマースクールで、ワールド・カフェを実施する予定。「本当のコミュケーションとは?」というタイトルで、 大学生と高校生が対等の立場で話ができる場をつくる。
経産省などでは、社会人基礎力としてコミュニケーション能力やプレゼン能力の育成を掲げているし、米国でもポスドクに不足しているサバイバル能力として、やはりコミュニケーション能力、リーダーシップ、チームワークなどが必要だとしている。グローバル人材には欠かせないのがコミュニケーションの能力なわけだ。
しかし、実際のところコミュニケーションとは何か?あまりに日常化しているがゆえに、これまで特に問い返されることはなかった。ハーバーマスやベイトソンなどのような社会学者や文化人類学者などの専門領域で研究されてはきたのだが。。。
それが産業構造が、グローバルな範囲で変容し、その過程で、政治や経済が乱高下や大混乱しているがゆえに、問題解決が喫緊の課題になってきた。ギリシャ時代もローマ時代もイギリスの名誉革命もフランス革命もウィーンの世紀末もそして戦後も、問題解決の手段は、トポスやカフェ、議会などで行われる話し合い。
その話し合いの新たな形式や深さや広がりを求めて、今再びコミュニケーションとは何かが時代の要請となっているのかもしれない。なにせ産業構造の変質というのは、社会形成に労働という概念を中心に置かないということを意味しているからだ。ワークフェアとかベーシック・インカムという新たな概念を生み出すには、創造的コミュニケーションしかない。マックス・ウェーバーやアダム・スミスのコア概念である「労働」という概念の変容期に直面しているのかもしれない。
聖学院のワールド・カフェは、Juanita Brown(アニータ・ブラウン)とDavid Isaacs(デイビッド・アイザックス)によって、1995年に開発・提唱されたプログラムのようだ。先進的な私立中高一貫校がよく行っているプロジェクト・ベース学習的な発想のプログラムで、マインドマップとジグソー法が活用されている。
一方、文科省でも4月から「熟議カケアイ」という対話の空間をサイト上で設けている。政策形成の過程に市民を巻き込もうというねらいがある。ここでもマインドマップは大いに活用されている。
聖学院のワールド・カフェにしても文科省の熟議にしても、もともとの発案者たちのコンセプトは、公共性とは何か?民主主義を支えてきたコミュニケーションとは何か?という近代化以降の社会形成のファンダメンタル層にまで届いている。決して表層的でテクニカルな話で終始しているのではない。
しかし、文科省の「熟議」は、そこらへんの議論や説明はないままイベント性だけが強い雰囲気がある。対話が大事であることを政府が表明することには大変意義は大きいが、果たしてどういう成果が生まれるのであろうか。
いずれにしても政府や大学が、対話について問い返すワークショップをやるというのはよいことだし、もっとマスメディアはこのようなイベントを取り上げるべきだろう。それがマスメディアの今後の新しい展開にも直接役立つことになるだろう。
| この記事のコラムニスト:本間 勇人| この記事のURL| コメント(0) |
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