米グーグルの書籍デジタル化 米国で和解 各国に波紋広がる
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2009/05/05 |
◇読売新聞(090504)によると、Googleの広く報道されたGoogleライブラリプロジェクト(「GLP」)に関して米国で行われていた訴訟は和解したということです。
◎和解について→「Googleブック検索和解契約」を参照。
◇2004年、Googleは、いくつかの図書館の蔵書の中から書籍およびその他の執筆物をデジタル化するという契約をそれらの図書館と結んだことを発表したことは記憶に新しいと思います。2007年には慶応義塾大学の図書館も提携したはずです。
◇今では、Googleは、700万以上の書籍をすでにデジタル化し、その一部もしくは大部分をGoogleのブック検索で見ることができるんですね。実際に「ブック検索」を使ってみてください。福沢諭吉の「学問のすすめ」の現代語訳が読めたりします。
◇読者にとっては、たいへんありがたいページですが、著作権の問題は、一人作家とGoogleの問題ではありません。出版社や出版著作権協会とかが絡み合っています。おそらく図書館がOKした本も、その他の利害関係者の承諾は得ていないなんて場合があると、すぐに訴訟でしょう。今回もそのようなカラミがあったのでしょうね。
◇それにしても、同紙にあるように、
「アメリカの和解が日本の権利者を巻き込むなんて、とんでもない!」――。4月24日、東京の日本ペンクラブに、作家や出版社の著作権担当者らが集まり、異例の意見交換会が開かれた。グーグルと米国の作家らとの和解が世界の書籍に影響するとの通知がなされ、グーグルのデータベース化を前提とした和解に参加するか否かの決断を日本の著作権者も迫られたからだ。参加者からはグーグルへの反発と、突然の事態に困惑する意見とが相次いだ。
◇当然ですね。谷川俊太郎さんも大反対のようです。ドイツやフランスも同じですね。ここには、2005年に、ユネスコ主催の国際会議で採択された「文化表現の多様性の保護及び促進に関する条約」の国際政治が背景にあります。文化コンテンツの米国によるデジタル侵害を察知し、フランスとドイツが英米に文化的挑戦をしかけたのです。日本は、政治的には、アメリカに追従し、反対派にまわっています。したがって、
ただ、著者や出版社の大勢は、反発しながらも和解へ参加する方針だ。日本文芸家協会は「最低限の防衛策」として、和解に応じた上で個々のデータの削除を求めることを勧めている。三田誠広副理事長は「個別にグーグルへの訴訟を起こすのは、時間と労力がかかり、損害額の算定も難しい」と説明する。
◇ということになるんですね。そして、どうせ最終的に従うなら、最初から積極的に
和解を肯定的にとらえる著作権者もいる。作家の佐々木譲さんは「ネット上で作品が公開されれば、本に触れる機会が広がり、新たな読者を作り出す」と期待する。
◇という作家もいるわけです。
◇著作権の問題は本当に難しい。対象が膨大かつスピードのある情報なだけに、たしかに個別に訴訟を起こすことが困難だからです。知的所有権や知的財産権、著作権の問題は、グローバリゼーション下では、国内法で対応することも難しいでしょう。
◇しかし、ユーザー側には、たいへん便利です。まだまだコンテンツは足りないですが、この和解によって、どんどん増えるでしょう。iPhoneもしくはE-Mobileを持っていれば、どこでも何冊も本を読めるわけです。とくに英語は横書きですから、見やすいですね。
◇Googleの文章のような連続テキスト、絵や地図のような非連続テキストのデータベース化は、21世紀の知のリテラシーをすべての人間にフラット化する大きな役割を果たすでしょう。日本では軽視されているアイデア。アイデアそのものの著作権はないんですね。直接アイデアが経済になることはない。
◇しかし、テキストのデータベース化の爆発が、最後はそれらをいろいろな視角でつなぎ合わせるアイデアや編集知の再評価が起こるでしょう。
| この記事のコラムニスト:本間 勇人| この記事のURL| コメント(0) |
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