共立女子の教育 Part 1
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共立女子中学高等学校は、完全一貫体制になって4年目。今春この体制の中学卒業一期生が高校1年生になりました。これを機に123年の伝統校が、新たな教育に挑みます。教頭渡辺眞人先生にその背景をお聞きしました。
◇123年前、教育界の先覚者34名によって共に立てられたのが、共立女子学園の始まりです。この創設者の協働の精神にちなみ、毎年編集されている文集のタイトルは「ともだち」となっているようです。「共立」を「ともにたつ」と「友達」の掛け言葉として解釈したということです。

◇なるほど、同校の校訓は「誠実・勤勉・友愛」で、「友愛」という理念が文集のタイトルにもつながっているわけです。しかし、教頭渡辺先生は、「誠実・勤勉」は創設当初、つまり明治時代からあるが、「友愛」は戦後加わったのだと語ります。
「今年はNATO60周年、天皇皇后ご成婚50周年、ベルリンの壁崩壊後20年と戦後を振り返るイベントが世界中でいっぱいあります。そして世界同時不況。戦後の政治経済システムが劣化している。劣化というより、戦後の復興のときに生まれた大事な思いが喪失されてしまったのかもしれない。戦後という原点に回帰する時代と共立女子の完全一貫体制4年目が重なったのは何か意義があるかもしれません。」
◇そして戦後鳩山一郎とその妻であり共立女子学園の理事長薫と親しかったクーデンホーフ・カレルギー伯爵の思想を思い出したということです。カレルギー伯爵は、EUの父と呼ばれているほどの歴史的重要人物です。鳩山一郎とともに「アメリカ独立戦争やフランス革命によって、自由は手に入れた。ロシア革命によって平等も手に入れた。しかし世界はまだ友愛を手に入れていない。原爆による唯一の被爆国である日本から友愛革命が起こるのは歴史的に意義あることである」と「友愛革命」を提唱していたのです。
◇文集「ともだち」は、この「友愛」から由来していたのです。渡辺先生は、こう語ります。
「明治時代の教育というのは、官学中心で男性中心。その中で女子のための教育を34名の先覚者が共に協力し合ったというのは歴史の変革期にあって、非常に意義あることです。文集「ともだち」にはこの第一期の改革魂がこめられています。そして戦後しかも被爆して焼け野原の日本において希望と夢を忘れない「友愛」を理念に教育に挑んだ魂も忘れてはなりません。文集「ともだち」にはこの第二期の改革魂がこめられていると私は思います。そして「友愛革命」はまだ途上です。共立女子の教育のベースは、今後の未来に大いに役立つと確信しています。」
◇このように、共立女子の日々の教育の背景には、歴史的な大きな2つの転機が流れ込んでいます。自分の興味や関心のあることにだけにかかわわって生き、他者や他の国の人ことに思いをはせるような価値観はすでになくなっているといわれている時代にあって、共立女子の教育の意義は大きいのではないでしょうか。
文☆本間 勇人 2009年4月28日
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